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再エネに於ける系統用蓄電所・太陽光併設蓄電池のご提案(その1:背景)

  • 執筆者の写真: リョウ
    リョウ
  • 2月4日
  • 読了時間: 2分

更新日:7月7日

 ひところの太陽光発電所の建設ラッシュを経て、かつて停電しにくいとされた日本の送電線は、膨大な再エネの接続によって、いわゆる「系統満杯」の状況から、気付けば出力制限により送電線容量を超過する電力量が制限されるようになった。既に満杯なのに増やさなければならない事情を子供たちに誰もが説明できるほど、その事情は単純ではない。


 脱炭素、SDG'sを先導する日本では再エネの推進は後戻りできない流れではあるが、ここに来て、従来とは性質の違った再エネ=蓄電池がブームとなっている。

 一般常識としては、昼間たくさんの電気を使用すると電力単価は高く、夜中であれば使用量も少なく安いと思いがちだが、いつの間にか状況は一変していた。


 電力の市場は金融の市場に非常に良く似ている。

株価は日のうちでも米国の筆頭指標である失業率の変動などに揺れ、

先物取引では、気候、流通、国際紛争等に揺られ、

為替はまたこれらの動きを捉えて微小変動、時折大型銀行の発表などで大幅は変動をもたらすことがある。

 電力市場も同じようなキャラクタの市場があり、これらによく似た、

容量市場(但し年先の電力を扱う)、

発電事業者と小売事業者(最近ではアグリゲータも参入)がJEPX(日本卸電力取引所)で取引をする卸売市場、そして

➂電力需給変動に対応して、細った日本の送電線事情下で際どい状況を回避できる、瞬時の系統連系維持をも担う受給調整市場がある。


 ここからやっと蓄電池のお話、特に受給調整市場は逼迫した電力系統の救世主として、国もその普及に大きな支援をし始めた。

 大容量の高炉を24時間フル稼働する工場、都市の空調他通常電力の夜間のウェイトが上がって来たこと、受給調整市場での夜間電力の供給価値の高騰から、本市場での取引では、昼間の限りなくゼロ円に近い時間帯、反対に異常なまでに高騰する夜間の時間帯がある。

再エネの主力である太陽光は、夜間発電ができないことで、その代替エネルギーの価値が高まったところにこの蓄電池がマッチングしたが、同じ系統売電であってもより短時間での系統充電には大きな電力単価が割り振られる。これが受給調整市場の魅力であり、高性能な蓄電池が瞬時対応することで、今後は全く違った供給信頼度を獲得することになる。


次回は系統用蓄電所、太陽光併設蓄電池について具体的な提案をする。

 
 
 

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